本多孝好「チェーン・ポイズン」
本多孝好「チェーン・ポイズン」を読了しました。
誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」それは決して悪い取り引きではないように思われた―。(「BOOKデータベース」より)
本多孝好の作品は初めて読みましたが、どことなく文体が村上春樹を意識しているような気がしました。この文体は好みがはっきり分かれそうです。自分は嫌いではありませんが・・・。
話そのものは面白かったです。主人公(?)の生に絶望した「おばちゃん」が、成り行きで引き受けた養護施設のボランティアを通して、人としての心を取り戻していくその過程が丁寧に書かれていて、グイグイと引き込まれました。特にも終盤のくだりは圧巻でした。
最後に「そうきたか!」と唸らせるどんでん返しが待っていますが、正直言うとこのようなミステリー風味は必要なかったと思います(自分はきれいに騙されましたが)。上に書いたとおり、主人公の「おばちゃん」が人間性を取り戻していく過程を中心に描くだけで十分に傑作たりえた作品ではないでしょうか。
少し注文をつけましたが、面白い小説であることは間違いありません。掘り出し物でした。
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コメント
いきなりコメント失礼します。
私も読みました。
ラスト「俺」は誰に電話を掛けたのか分かりますか?
読解力が乏しいもので…
投稿: oo | 2009年2月28日 (土) 00時05分
ooさま
コメントありがとうございます。
ラストの「俺」が電話をかけた相手は「竹下さん」だと思っていました。(P202-203あたりの記述から)
ただ、あの場面で電話をした理由については、正直分かりません。(再読してみます。)
今後ともよろしくお願いします。
投稿: HOSSY | 2009年2月28日 (土) 11時01分